痛みの刺激は記憶する
痛みは、体験や経験として脳で記憶すると言われています。
今回は、この痛みを記憶するメカニズムについて説明させていただきます。
痛みとは脳へ伝わる際、神経を介して電気刺激としてつたわります。
この脳へ伝達する神経が可塑的変化をもたらすことが痛みを記憶する一つの要因と言われています。
可塑的変化とは?
可塑的変化とは・・・
刺激を加えると、その刺激で形を作れることを言います。
例えば…
買ったばかりのソファーに座るとします。
座ったソファーは体重の重みで少し凹みます。
しかし、ソファーから立ち上がると、凹んだソファーはまた元の形に戻ります。
再びソファーに座れば、また凹み…
毎日、この繰り返しを続けると、気づけばソファーは凹んだまま形は戻らなくなります。
これを可塑性変化といいます。
軽い刺激も、繰り返されれば、元に戻りにくくなります。
一定の刺激がなくなれば、元には戻りますが、刺激が繰り返されると元通りになるまで時間がかかってしまいます。
ソファーも繰り返し使うと元に戻れなくなってしまいます。
これが痛みを記憶することに繋がります。
ですので、痛みの刺激が加わらない様にするだけでなく、記憶自体を痛みの出ない記憶に上書きする必要があります。
痛みのおきている場所への治療はもちろん、痛みのでない動きを反復練習することで、痛くない体験・経験を記憶しています。
この作業は治療としては地味に感じるかと思いますが、実はとても大切なことなんです。