前回神経の伝わり方について生理学的に触れてみました。
今回は伝わり方パート2と題しまして、“解剖学”視点も踏まえてひも解いてみたいと思います。
痛みが伝わる道
痛みの伝わる道のりにはいくつかの分岐点があります。
簡単に言うと…
- 受容器
- 末梢神経
- 脊髄
- 脳
という順番で進んでいきます。
受容器は前にも記事にさせていただきました、痛みの始まりの場所となっています。
そこから末梢神経という道へ情報が移り変わり、次に脊髄へと向かいます。
手や足、など様々な場所に散りばめられている末梢神経は、一度脊髄へと集約され、背骨のなかを通って脳までたどり着きます。
ちなみに…
この背骨のなかで神経が圧迫されることで情報が正しく伝わらなくなるのを椎間板ヘルニアと呼ばれます。
受容器から末梢神経へ
では、今度は細かく神経の伝わり方を見ていきたいと思います。
例えば…
皮膚をナイフで傷つけてしまったとします。
皮膚が傷つくと、皮膚の中にある血管から危険信号であるプロスタグランジンとブラジキニンと呼ばれる物質が流れ出てきます。
このブラジキニンが痛みを感じる受容器にくっつくと活動電位が生まれます。
活動電位が生まれると、いよいよ末梢神経に電気が流れ、痛みがおきてることを知らせる為に脊髄へ流れていきます。
脊髄から脳へ
末梢神経からもらった情報は脊髄の痛みをつかさどる道路を選択し、また電気は脳まで情報を流します。
最後にもらった情報は脳の中で、痛みという感覚として変換されて、痛みのゴールとなります。
痛みの薬も、この一連のどこかを止めるべくして働いています。
どの場面で障害がおきてるかでも、止めなければいけない流れや道は違ってきます。
その為には私たちにも出来る整形外科的テスト法を用いて身体になにが起きているかを細かく評価していく必要があります。
身体の中で何がおきてるかを評価することは簡単ではないですが…
皆様と向き合い、じっくり評価していく中で見つけていければと考えております。